伊豆諸島原産の野生種「オオシマザクラ」火山灰の荒地を栄養ある土壌に変えるまで

伊豆諸島原産の野生種「オオシマザクラ」火山灰の荒地を栄養ある土壌に変えるまで

今日は「オオシマザクラ」について深掘りしようと思う。どうして「オオシマザクラ」なのかというと、芽吹く若葉と一緒に満開に咲くオオシマザクラのいろあいが好きだし、若木から成木に見られる光沢感のある樹皮にもグッとくるからだ。

それに、忘れてならないのは「桜餅」。あの、あの、桜餅の風味と食感がたまらない!!

桜餅の葉だけじゃない、オオシマザクラの個性

あの独特の芳醇な香り。桜餅を包む大きな葉の正体こそが、このオオシマザクラです。でも、凄さは「美味しさ」だけじゃないでしょう?

桜餅、道明寺|伊豆諸島原産の野生種「オオシマザクラ」火山灰の荒地を栄養ある土壌に変えるまで
左から桜団子、桜餅、道明寺

実はこの木、伊豆諸島などの火山地帯で「先駆者」と呼ばれるほど、たくましい性質を持っているらしい。溶岩に覆われたような過酷な場所でも、真っ先に根を張り、自ら環境を作り変えていく……

そんなオオシマザクラが、足元の「土・地面」に対してどんな戦略で挑んでいるのか?その生存戦略を知りたい!

出発は、溶岩だらけの土地
先駆植物としての生存戦略

オオシマザクラの故郷は伊豆諸島などの火山島。若木から成木に見られる光沢のある美しい樹皮や春先に芽吹く瑞々しい若葉からは、少し想像しにくいかな?
そして、オオシマザクラは、伊豆諸島(特に伊豆大島)や南関東の沿岸部に自生する日本固有の野生種で、伊豆大島に多く自生していたことが名前の由来だそうだ。

火山島は、大きく分けて2つのタイプがある。「玄武岩(黒っぽい)」の島と「流紋岩(白っぽい)」の島の2つのタイプ。伊豆大島は、「玄武岩(黒っぽい)」タイプだそうだ。

火山島のタイプ:

特徴玄武岩質の島(黒の島)流紋岩質の島(白の島)
主な島伊豆大島、三宅島、八丈島新島、式根島、神津島
マグマの性質粘り気が少ない(サラサラ)粘り気が強い(ドロドロ)
地形・景観傾斜がゆるやかな成層火山ドーム状の山、鋭い絶壁
地面・砂の色黒っぽい(火山灰、スコリア)真っ白(抗火石、火山ガラス)
代表スポット三原山、裏砂漠(伊豆大島)白ママ断崖(新島)

普通の植物なら根を下ろすことすら諦めるような過酷な場所で、オオシマザクラは真っ先に芽を吹き始める。鳥が運んできた一粒の種から、岩の隙間に根をねじ込み、誰よりも早く太陽に向かって背を伸ばす〜(鳥、大事な登場鳥物だ!)

しかも、彼らが立ち向かうのは「栄養不足」だけではない。海から吹き付ける「容赦ない潮風」、照りつける太陽による「極度の乾燥」。これらすべてが、彼らにとっては「想定内」らしい。

この過酷な環境で鍛え抜かれたタフさこそが、のちにソメイヨシノをはじめとする多くの園芸品種の「親」として選ばれた理由でもあるそうだ。

この経験があってこその「佇まい・風味」だったとは、ある意味納得です。

土を耕し、自ら「栄養分」を作る仕組み

オオシマザクラの葉は、他のサクラに比べて一回り大きく厚みがあるのが特徴だ。桜餅を包むのに、あえてこの葉が選ばれるのも納得!そのサイズ感と丈夫さがあるからこそなんだね。
そして、この「大きな葉」には、重要な生存戦略が隠されているらしい……!?

自分の「落葉」が天然肥料

秋になると、この大きな葉が一斉に地面へと舞い落ちる。地面を分厚く覆い尽くした落葉は、冬の寒さや乾燥から土を守る「毛布」のような役割を果たす。そして、溶岩の表面や隙間にわずかに潜んでいる微生物や風や鳥が運んできた微生物がこの葉を分解し、豊かな栄養分(腐葉土)へと変えていく〜(微生物さまさま)

溶岩にも微生物はいる!
微生物は、オオシマザクラの落ち葉をきっかけに増殖するよ

一見、生物がいなさそうな溶岩だが、「地衣類(ちいるい)」というコケのような生き物や、岩を好む特殊な細菌がわずかに住み着いているんだとか。彼らは、岩の表面をほんの少しずつ削りミネラルを溶かし出している。

そこへ、オオシマザクラの大きな落ち葉が重なると、「落ち葉が微生物の家」になるそうです。

  • 保湿:溶岩はすぐ乾くが、葉が重なるとその下の水分が保たれる。
  • エサ:落ち葉という「最高の栄養源」が届く。

これにより、どこからか飛んできた菌や、わずかにいた微生物が「住めるぞ!ここは!」と一気に増殖し始めるそうです〜(なに?偶然、すごくない!?)

微生物が落ち葉を食べると、分解されたカスと溶岩の削りカスが混ざり合い、これが数百年後に深い森の土になるための「最初の1ミリの土」になるそうです……ひゃ、最初の1ミリ!あっ、でも面で考えると……それなりなのかな?

溶岩だらけで栄養のない土地でも、オオシマザクラは自分の落葉を微生物と協力することで、自給自足のサイクルを作り出し、ガチガチだった地面に少しずつ柔らかな土の層ができ、気づけば足元は栄養のある「ふかふか」な土壌へと変わっていくそうです〜(協力、って大事だね)

自分の根っこは「自然の耕作者」

  • 岩をも穿(うが)つ、根の貫通力
    「不毛の地」である溶岩地帯で生き抜くために、オオシマザクラの根は非常に力強いチャ挑戦根。わずかな岩の割れ目を見つけては、そこへ強引に根をねじ込み、肥大させて岩を砕くことすらある。この「根の力&チャレンジ精神」が、ガチガチの地盤に隙間を作り、空気や水が通る「道」なるんだって。
  • 天然の「土留め」とネットワーク
    彼らの根は、単に深く潜るだけでなく、横方向にも広く網目のように広がる。これが天然のネットのように土をしっかりと抱え込み、雨風による土砂崩れや表土の流出を防ぐそうだ。島という厳しい環境で、自らの地面を確保整えつつ、同時に「島そのもの」を崩れないように守っている……そんな役割も果たしているぞ。

彼らが根を張り、土を耕し、隙間を作った場所には、やがて他の樹木や草花も根を下ろせるようになる。彼らの作った「地下の道」が他の生物にも繋がっているってことか……このネットワークが、数百年後の豊かな森へと繋がる土台になるそうです〜(落ち葉って、ありがたい)

見事な戦略(偶然?目的が同じだったから?)に感心いたしました。深掘りしてよかった!